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犬の膀胱腫瘍の一例

犬の膀胱腫瘍の一例

膀胱腫瘍について

犬の膀胱腫瘍は臨床的にしばしば遭遇します。
良性腫瘍~悪性腫瘍までさまざまですが、膀胱には尿管や尿道といった尿路の開口部がありますので、腫瘍の発生部位がとても重要になってきます。
特に膀胱三角と呼ばれる部位に発生した腫瘍は外科的な切除が非常に困難になるケースがあります。
治療をすすめるうえで立体的構造をとらえることは、とても重要です。

診断について

膀胱腫瘍の診断は大きく2種類あります。
ひとつは超音波検査になります。超音波検査は膀胱の構造を調べるうえで非常に有用です。
膀胱炎や、膀胱結石、膀胱腫瘍の診断に役立ちます。
本症例は肥大化した膀胱腫瘍が発見されています。

もうひとつの診断は尿検査になります。
尿にふくまれる細胞を顕微鏡で調べることで、腫瘍性の悪性度を見極めることができることがあります。
また近年では移行上皮がんなどの鑑別に特有の尿検査が有用なことがあります。
当院でも外科的な切除が困難な症例では尿検査をすすめることがしばしばあります。

治療について

上述したように、腫瘍が検出された際は、その発生部位が非常に重要になります。
簡単に分類すると
膀胱三角周辺での発生 → 鎮痛薬や抗癌剤など内科的な治療
膀胱の頭側での発生 → 可能な限り外科的な摘出
となります。
本症例は尿管や尿道といった尿路を阻害しない部位に発生した腫瘍であったため、早期の外科的摘出を実施しました。

手術について

手術は下腹部を開腹することですすめます。
膀胱は腹筋のすぐ下にあるので、簡単にみつけることができます。

本症例では膀胱内部に大きな腫瘤が超音波検査にて確認されていましたが、膀胱の外側にも突出する形で腫瘍が発生していました。
肉眼でも判断できますし、触診でも確認ができるサイズになっています。

腫瘍を切除していきます。一般的な話として腫瘍の切除は数cmのマージンをとったうえで十分に切除したいところなのですが、膀胱という内臓の場合はそうはいきません。
肉眼で確認しつつ、必要最小のマージンで切除する必要があります。あまり大きく切りすぎると膀胱のダメージが大きくなってしまい、さらには尿管などを誤って切ってしまう可能性があります。
今回はギリギリのラインでしたが、尿管など傷つけることなく、腫瘍本体をすべて摘出することができました。

切開した膀胱は縫合して、閉鎖します。その際にちゃんと尿などの漏れがないか確認しておきます。

閉腹して完了となります。一次的に膀胱の収縮機能が弱まったり、膀胱の縫合部位への負荷をできるだけ軽減させるために、当院では尿路カテーテルをしばらく留置することがあります。本症例でも数日間カテーテルを置いたのち、血尿がおさまってきた時点で、カテーテルの抜去を行いました。

摘出した膀胱腫瘍です。病理検査にて平滑筋腫という良性腫瘍であることが判明しました。
良性腫瘍ということで再発や転移の可能性は非常に低くなり、今後安心して生活ができることが期待されます。
一方で、移行上皮癌や平滑筋肉腫といった悪性腫瘍は術後も体調の変化など経過に注意が必要となります。

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