電子内視鏡
電子内視鏡について
検査から治療へ
内視鏡の強みは消化管内を鮮明に映し出すことができる点です。それは時に肉眼で確認するよりも診断に役立つことがあります。非常に有意義な検査方法なのですが、動物医療においては全身麻酔を必須とする問題があります。
かつてに比べれば非常に安全に内視鏡を行うことができますが、実施の際には全身状態の把握など注意が必要になります。
対象となる疾患は消化管系腫瘍(胃がん、大腸がんなど)、胃拡張捻転症候群、腸リンパ管拡張症などです。特に動物病院では誤飲の対策に内視鏡を使用することが多くあります。誤飲の場合はまずは催吐処置を迅速に行うことが望ましいですが、吐かせることが難しい場合は胃カメラで摘出することもできます。内視鏡での摘出は目に見えて成果が出ますので、拍手が起こるようなこともあります。
電子内視鏡システム
当院では小型の動物に合わせて細径内視鏡を採用しています。
検査の流れ
内視鏡実施の必要性の説明
前述通り、内視鏡検査の実施には全身麻酔処置が前提となります。検査の必要性をしっかり理解していただき、施術にうつります。
治療も含めた検査の準備
内視鏡検査の特殊性として、その検査結果次第ではそのまま開腹手術になる可能性があるということです。内視鏡では到底摘出できない異物や腫瘍など、開腹手術に移行することも視野に入れて準備を万端に整えます。
検査が終わってから
検査が終わり麻酔が覚めれば多くの場合は即日退院可能です。手術をしたりしない限りは比較的早く麻酔は切れます。
施術後の説明、今後の方針
結果がどうであったか、退院後に気を付けることなど詳しいことは写真など見ていただきながら説明いたします。
検査の実例
誤飲
胃カメラにて異物の存在の確認
異物(布ひも)の摘出
本症例の施術時間は20分程度になります。(異物のサイズや形状により施術時間は大幅に変わることがあります)
電子内視鏡の応用
胃拡張捻転症候群
これまで胃拡張捻転症候群の治療のスタンダードは開腹手術にありました。ただ重度のガスの充満による胃拡張の場合は内視鏡での処置が可能です。
もちろん今でも開腹が必要な場合もあります。多量の食渣がある場合や、胃固定が必要な場合などです。
しかし、本症の治療において内視鏡の施術ほど負担の少ないものはなく、ファーストチョイスとされるべき手技だと考えています。
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