犬・猫の横隔膜ヘルニア|犬猫の治療なら広島市konomi動物病院

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犬猫の横隔膜ヘルニア

横隔膜ヘルニアとは

横隔膜は胸部と腹部を分ける筋肉の膜であり、呼吸機能などに重要な機能を果たしています。この横隔膜の一部が破損し、腹部の臓器が胸部に脱出することがあります。これが横隔膜ヘルニアです。食道の通り道で臓器が脱出するときは食道裂孔ヘルニアと呼ぶこともあります。

原因

ヘルニアになる原因の多くは外傷になります。交通事故や高い位置からの落下など、強く体幹に衝撃が加わることで横隔膜ヘルニアは発症します。野良猫などは交通事故にあう確率が高く、骨折とともに横隔膜ヘルニアが起きていることがしばしばあります。
また、外傷のほかに、生まれつき横隔膜の形成が不十分でヘルニアになっていることもあります。こうした場合はある程度は成長できますが、生後何か月かすると食後の呼吸困難が顕著になってきます。

症状

胸部にある肺や心臓が圧迫を受けるため、呼吸困難の症状を示すことが多くあります。つぎに胃や腸が十分に拡張できないことが理由で嘔吐などの症状もよく見受けられます。また肝臓や脾臓などが胸部に移動することもあり、やはり呼吸の問題や嘔吐が確認され、ときに腹痛をしめすことがあります。

診断

本疾患の診断はレントゲンやエコー検査などの画像検査で確定診断を行うことが可能です。レントゲンでは横隔膜ラインと呼ばれる境目が不明瞭になっていたり、超音波検査では心臓に隣接しているはずのない胃腸や肝臓が確認されることがあります。

横隔膜ヘルニアを呈した犬のレントゲン画像になります。肺野の一部が不明瞭になっており、明らかに異常が認められます。

造影剤をふくませることで胃が胸部に脱出していることが明瞭になります。胃が肺を圧迫することで、食後の呼吸困難、嘔吐などの症状が認められます。

CT検査

横隔膜ヘルニアの症例にはCT検査はとても有用です。微小なヘルニアの描出も可能であり、手術の可否についてもある程度判断ができます。

胃や肝臓、脾臓など、脱出しやすい臓器がありますが、それらのどれが問題となっているかの判定、および、ヘルニア孔のサイズの測定も可能になります。

治療

治療の第一選択は外科的な手術になります。破損している横隔膜を可能な限り整復します。もちろん、整復するときに内臓を正常な位置に戻すことを意識するようにします。手術の際には呼吸状態が不安定になることがあるため、麻酔管理には非常に注意が必要です。

破損している横隔膜を縫合していきます。呼吸状態の変化に注意しながら手術を進めるようにしています。また縫合する際には肺や心臓を傷つけないように慎重に作業をおこないます。

術後しばらくしてのレントゲン画像になります。胸部と腹部の境界が明瞭になっており、胃が腹部にとどまっていることが確認できます。こうなると安心して食事ができ、呼吸も安定して、嘔吐などの症状も改善していきます。

当院では横隔膜ヘルニアを発症した犬・猫の手術を受け入れることが可能で、できるだけ早期の手術を実施しています。症状にお困りの場合はぜひ当院にお問い合わせください。