脾臓摘出(脾臓腫瘍)|犬猫の治療なら広島市konomi動物病院

脾臓摘出(脾臓腫瘍)|犬猫の治療なら広島市konomi動物病院

脾臓摘出(脾臓腫瘍)

原因

脾臓摘出の手術の多くは、悪性を腫瘍を伴う場合に考慮します。特に脾臓の腫瘍は出血を伴うことも多く、その際は緊急手術が必要になります。
脾臓の腫瘍の多くはリンパ腫または血管肉腫になります。

手術について

脾臓は摘出しても問題ない臓器のひとつです。主に免疫系の役割を果たしていますが、体には役目を代替できるリンパ節が多数ありますので、摘出自体は問題ありません。
脾臓にはたくさんの血管が入り込んでいますので、その血管を止血しながら切除します。当院ではシーリングシステムを使用することで安全に止血をしながら手術を実施することができます。
腹腔内の出血程度のより、脾臓摘出後に生理食塩水を使用して洗浄します。排液用のドレーンを設置して閉腹します。

予後について

手術についてはおよそ問題なく終了し、退院時には元気になっていることがほとんどです。
ただし、そのあとの経過については摘出した脾臓の病理検査結果によりかなり左右します。
リンパ腫の場合は、抗癌剤での治療を考慮します。血管肉腫の場合は、他臓器への転移がないかよく確認しておく必要があります。
他臓器へ転移し、再出血が起こった場合はかなり予後が悪くなります。

もちろん。上記のような悪い場合だけでなく、過形成や良性腫瘍のように安心できるタイプもあります。
良性か悪性かは画像や肉眼だけではなかなか判断がつかないことが多く、経過を知るうえで病理検査は必須になります。

症例2ー脾臓腫瘍

脾臓腫瘍は時々、肝臓腫瘍かと惑わされることがあります。
肝臓の左葉と脾臓が接しており、それぞれの臓器が腫瘍の発生により大きくなったり、少し移動したりするためです。
超音波検査にておおよその判定は可能ですが、それでも心配になることがあります。

肝臓の腫瘍の場合は、体への負担が大きいですが、脾臓の場合はそれほどでもありません。

脾臓は腹部を切開すると少し奥に確認できます。
そして、腫瘍の有無は直接手で触ることで確認ができます。

脾臓は横長の平べったい臓器です。よくその片側に寄って腫瘍ができていることがあります。
臓器を引っ張り出すことで、腫瘍の本体がみえてきます。

当院ではシーリングシステムを使用して腫瘍の摘出をおこなっています。
できるだけ早く、そして体内に異物を残すことなく施術が可能です。

摘出した臓器は病理検査に外注します。
検査結果により抗癌剤などの検討が必要になることがあります。
近年では抗癌剤のスクリーニング検査ができるようになり、術後の管理の一助となっています。