犬の胸椎脱臼|犬猫の治療なら広島市konomi動物病院

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胸椎脱臼

原因

外傷によるものがほとんどになります。車や自転車との接触交通事故や、家庭での踏みつけ事故などになります。

症状

脊髄神経が刺激されることで激しい疼痛を伴うことが考えられます。程度が悪く、神経が完全に麻痺してしまうと疼痛はないかもしれませんが、痛がらない方が重症といえるかもしれません。
胸椎以下での脱臼は後肢に麻痺が生じることが多いように思えます。脱臼部位にもよりますが、前肢はたいてい問題なく動きます。

治療

早急な脱臼の整復が必要になります。神経の損傷はできるだけ早く修正することが重要です。それは治すというよりは痛みをとってあげないと寝れないくらいになってしまうからです。
脱臼の整復方法はいろいろありますが、骨セメントを用いた方法、骨プレートを用いた方法が代表的です。また必要に応じて椎弓の切除を考慮します。これは少しでも脊髄神経へのダメージを軽減させる目的があります。

予後

神経の損傷具合や椎体の固定レベルにより予後は様々です。例えば後肢の完全麻痺が生じていた場合は、神経の回復はかなり厳しいものとなります。部分麻痺であれば懸命なリハビリを経て回復していく可能性がありますが、不十分な固定レベルであれば積極的なリハビリは困難になります。
また、わずかな確率ですが、脊髄軟化症という状態に陥ったときは、劇症により呼吸困難となるケースがあります。このあたりはしっかりとしたインフォームドコンセントを心がけています。

補足

当院では激しい痛みをとること目的に手術による整復を早期に実施しています。痛みがとれないと睡眠もそうですが、食事もままならないためです。
リハビリについてはとにかく後肢を刺激することを中心に指導するようにしています。最初は歩けなくても数か月かけて歩行が可能になる場合があります。