犬・猫の輸血|犬猫の治療なら広島市konomi動物病院

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犬・猫の輸血

輸血について

輸血とは自分以外の個体から血液を分けてもらうことをいいます。その多くは緊急性の高い疾患であることが多く、命にかかわる病態が関与していることがあります。例として多量の出血、溶血性貧血、血小板減少症、ウイルス感染症などがあげられます。

ただ、輸血は一種の移植であり、まれに拒否反応が生じることがあります。できるだけそうならないように慎重に作業は進めますが、生体反応は思わぬ形で生じることもあります。

また、一回の輸血では解決せず、複数回の実施を必要とするケースも多々あります。印象とすれば4回くらいまではなんとかなるのですが、5回以上の輸血は不安が強くなってくるかもしれません。決して回数が重要というわけではありませんが。

血液型について

犬の場合、DEA(-)やDEA(+)といった血液型がありますが、実際には血液型を調べて輸血を行うことはほとんどありません。血液型をチェックするのに費用と時間がかかることや、副反応がほとんどの場合で生じないことが理由としてあげられます。

上記のように輸血を考えるときは緊急性が高いことが多く、そこから血液型を調べる時間はほとんどありません。血液型を調べる検査を外部の検査センターに依頼すると結果がわかるまでに数日かかることがあります。その数日が正直待てないことがほとんどです。

また、仮にその血液型を調べるとなると、ドナー側とレシピエント側の両方のチェックをする必要があります。なかなかそこまで実施することが現実的ではないのが実状です。

一方で猫の場合は犬に比べて血液型の判定は重要性が増してきます。猫はA型、B型、AB型の3種に区分されています。その中で注意が必要なのが、B型の血液を持つ子です。B型の猫は数は多くないのですが、B型の猫にA型の血液を輸血したりすることはやや注意となります。できればB型の猫にはB型の血液が必要なのですが、そもそもB型が滅多にいないのと、猫はそこまで大柄な子が少なくドナーに適する猫は非常に限られてしまいます。なので、当院では院内で検査できる検査キットを用意して、猫に関しては血液型を調べることがあります。

輸血の流れ

輸血を実施する際にはドナーの選定がまず必要になります。輸血に必要な血液量を調べて、ドナーに適する子を探します。近年ではSNSが発達したことで、献血の呼びかけに対して、ご協力いただける方がとても増えてくれました。

ドナーが見つかったら、次は採血になります。そして、採血した血液を用いて交差適合試験(クロスマッチ)というものを行います。血液を体外で混ぜて、副反応が出るかどうかを予測します。この試験に合わない場合は、また別のドナーを選定していく必要があります。

採血ができたら静脈確保や点滴の準備をして、輸血を開始します。最初は緩徐に行い、少しずつ輸血のペースをあげていく場合が多くあります。拒否反応を意識して、できるだけ時間をゆっくりかけて実施することが重要になります。

輸血にかかわる時間はおよそ3~12時間くらいみておく必要があります。当院では場合によっては24時間近くかけて処置をすることもあります。急速な輸血は血圧変動も大きくなるので、心臓への負荷も注意しなければいけません。