胃切開による異物摘出|犬猫の治療なら広島市konomi動物病院

胃切開による異物摘出|犬猫の治療なら広島市konomi動物病院

胃切開による異物摘出

胃切開による異物摘出

誤飲したときの対処方法

ペットはよくいろんなものを口にいれてしまいます。誤飲してしまったものの大きさや形状、飲み込んだ時間、前後の飲食の関係などからどのように対処するべきなのか、最善手は何かを考えます。早期発見であれば多くの場合は注射により吐かせる処置をすることで問題が解決することがあります。ただし、飲み込んだものの形状によってはうまく出てこないことがあります。

吐かせて出てこない、でも胃の中に異物が残存しているときは内視鏡を用いることで摘出することができます。ただし、それも限界があることがあります。今回はかなり大きめのゴムボールが胃の中にありました。ボール状のものは内視鏡で取り出しにくいという特徴があります。カンシのつまみでつかめないという問題です。チャレンジはしますが、やはり難しく、内視鏡操作により胃がひどく荒れてしまう前に開腹手術による胃切開に考えを切り替える必要があります。

胃切開や腸切開による異物の摘出は最終手段になります。確実な摘出ができる一方で、個体へのダメージも大きなものとなりますので、できれば吐かせたり、内視鏡で取り出したいところですが、今回は致し方ありません。胃切開は腹部正中切開により実施します。異物を含んだ胃がすぐに触知できるのであとは切って、取り出して、縫合する流れになります。

無事に取り出せた様子です。こぶしサイズのボールです。手術時には手術用グローブを装着しますが、それでツルツル滑って取り出すのに少し手間取りました。

胃を縫合し終わった様子です。異物のもののサイズにより切開の大きさも変化します。今回はかなり大きな傷口になりましたが問題ありません。

胃切開や腸切開の後は必要に応じて腹腔内洗浄を行います。生理食塩水を大量に腹部に入れて、吸引する処置を複数回行います。体温が下がらないように温かい生理食塩水を使用します。

経過

手術は必要であればできるだけ早期に実施するべきです。術後は1~2日ほど絶食させて胃を休ませます。その後に少しずつ食事を与えていき、通常便が出れば快復したと判断します。きれいな便が出れば退院できるという感じですね。