猫の鼻咽頭狭窄症/鼻腔狭窄
鼻咽頭狭窄症について
愛猫で「鼻つまりがひどい」、「生まれつきフガフガいってる」、「息が苦しそう」といった症状はありませんか?そのような症状がある場合は鼻咽頭狭窄症になっているかもしれません。
鼻咽頭狭窄症は通常よりも鼻の通り道(鼻腔)が狭くなってしまう疾病です。生まれつき後鼻孔という部分がふさがっていることがあったり、慢性鼻炎や外傷によって本症を発症することがあります。
診断
症状については見た目で判断がしやすいのですが、鼻の中というのは簡単に確認ができるものではありません。レントゲンなどではチェックがほぼできないので、麻酔処置下で内視鏡検査やCT検査を行うことがあります。
特に本症では内視鏡検査は必須になってきます。内視鏡検査は体のサイズによって、適応できる場合とそうでない場合があるのですが、実際にはやってみないと分かりません。成猫であればほとんどの場合は実施が可能です。

内視鏡検査では通常見えないといけない鼻腔がほとんど見えなくなっています。
また、腫瘍性疾患や慢性鼻炎、蓄膿症などとも鑑別が非常に重要になります。腫瘍性疾患では病理検査を行うことがあります。蓄膿症などでは培養検査などを行い、適用となる抗生物質の選択を検討しています。
治療
当院では専用のバルーンカテーテルを用いた治療を実施しています。バルーンカテーテルのよる治療は内視鏡検査を行いながら実施します。

画像では分かりにくいですが、バルーンカテーテルを挿入して、鼻腔を拡張しています。いきなり大きく拡張するのは心配なので、徐々にバルーンを大きくしていくようにしています。

手術により確実に鼻腔が拡大されたことを確認します。多少の出血は認められますが、ほとんどの場合は自然におさまります。
バルーン拡張による治療によって症状は劇的に改善されることが期待できますが、時間とともに再発することも十分に起こりえます。なので、本治療は定期的に複数回行う必要があります。これで大丈夫といえるようになるには何カ月もかかるかもしれませんが、とても有効な治療方法となっています。

