緑内障治療ーインプラント設置
犬の緑内障治療
緑内障について
緑内障は眼球の中を循環している眼房水の流れが悪くなり、眼圧が高まることで、視力などに異常が発生する疾病です。
多くは眼房水の排泄がうまくいかなくなることで眼圧が上昇します。
診断について
緑内障の診断は主に眼圧を測定することで判定します。眼圧の上昇は緑内障の発症を示唆します。
他に、超音波検査で腫瘍性病変がないか、炎症性疾患がないかなど確認します。
腫瘍や他の基礎疾患がない場合には、眼圧の上昇をもって原発性緑内障と診断することができます。
治療について
緑内障の治療は点眼液や点滴による内科的治療、そしてインプラント設置による外科的治療があります。
利尿(排液)作用をもつ点眼液を使用することで、眼圧の上昇を防ぐことができます。
しかし、場合によっては点眼液だけでは調整が効かなくなるケースも多々あります。
そうした際に外科的な介入が必要となるケースがあります。
緑内障のインプラント治療
インプラントの設置は全身麻酔下にて行います。
専用の器具を眼球の脇に設置します。
設置したものは眼の奥に隠れるので、表面から見えることはありません。
器具の設置により、眼球にたまった眼房水をうまく排泄させることができるようになります。
(※根本的な原因となる眼房水の排泄のトラブルを解決させるわけではありません)
できるだけ気にしたり、痛がったりしないように注意深く設置します。
本手術の問題点は、眼圧の上昇のコントロールをしやすくするということが目的であるということです。
なので、緑内障そのものが治るわけではありません。
しかし、点眼などの治療だけではうまくいかないケースに対しては非常に有効な手段であるといえます。