犬・猫の大腿骨頭切除手術
犬猫の大腿骨頭切除手術
大腿骨頭切除手術とは
大腿骨頭切除手術は文字通りに大腿骨頭と呼ばれる部位を切除する手術になります。
大腿骨頭は寛骨臼と股関節を形成します。
そして、後肢の動きや体幹を支える役割を担っています。
犬や猫の場合は、四足歩行をしますので、後肢1本にかかる負荷がわれわれ人間に比べて軽度なものとなります。
なので、大腿骨頭を切除しても比較的安定的な歩行が可能となります。
ただ、支えがなくなるため、多少のふらつきなどは出ることがあります。
手術の適応について
大腿骨頭切除手術はよく以下の疾病を発症した際に考慮されるものです。
・股関節脱臼
・大腿骨頭壊死症(レッグペルテス症)
・大腿骨頭(大腿骨頭骨頸部)骨折
特に大腿骨頭壊死症の場合は、骨頭を切除しないと症状が改善しないことがほとんどあり、推奨されるべき手術となります。
手術について
大腿骨頭切除手術は全身麻酔下で実施します。
お尻に近い臀部を切開して、筋肉などを分けながら、股関節にアプローチします。
大腿骨頭の切除は専用のデバイスを使用して行います。
切除の際に獣医師はその切除領域をとても意識します。
切りすぎても良くないですし、切らなすぎても症状が改善しないことがあります。
適度な切除を意識して、治療を進めます。
大腿骨頭を切除した患肢のレントゲン画像になります。
術後経過について
手術をした後は、しばらく入院管理となります。
この手術は特に注意することというのはそれほどないのですが、脂肪や筋肉を深く切るため、傷口の問題が出ることがあります。
必要におうじて消毒洗浄などを実施していきます。
多くの場合は術後に日常生活に困らないくらいの安定した歩行が可能となります。
中には一部跛行が残ったり、足を挙げるなどの動きが出る子もいます。
ただ、痛みや違和感などを考えると手術をする前よりも、症状は改善するケースがほとんどかと思います。