はじめに
うさぎでは、犬や猫と同様に生殖器に様々な疾患が発生します。
特に雌のうさぎでは、子宮疾患や卵巣疾患、乳腺疾患などが比較的多く認められます。
これらの疾患は初期段階では明らかな臨床症状を示さないことも多く、健康診断や他疾患の検査時に偶然的に発見される場合もあります。
1.子宮疾患
うさぎの雌では、子宮に関する疾患が重要な問題となります。
代表的な疾患として、
・子宮内膜過形成
・子宮蓄膿症
・子宮腫瘍
・子宮腺癌
などがあげられます。
特に子宮腺癌は、うさぎでみられる重要な悪性腫瘍の一つです。
症状
初期には無症状の場合もありますが、進行すると、
・血尿様の出血
・外陰部からの出血、分泌物
・食欲低下
・元気消失
・体重減少
・腹部膨満
などが認められることがあります。
また、子宮疾患による疼痛や全身状態の悪化から、消化管運動が低下し、二次的に食欲不振や消化管うっ滞になる場合があります。
診断
身体検査に加えて、レントゲン検査、超音波検査、血液検査などを実施し、子宮の大きさや形態、腹腔内の状態を確認します。
腫瘍性疾患が疑われる場合には、摘出した子宮を病理組織学的に検査することで、確定診断を行います。
治療
子宮に明らかな病変が認められる場合には、卵巣子宮摘出手術が基本的な治療となります。

2.乳腺腫瘍
うさぎでは、乳腺にも腫瘍が発生することがあります。
乳腺腫瘍は陽性と悪性に分類されますが、うさぎでは悪性の乳腺腫瘍が多いことが特徴です。特に乳腺癌では、周囲組織への湿潤や肺などへの遠隔転移を起こす可能性があります。
そのため、乳腺に腫瘤を認めた場合には、早期の検査・治療が重要となります。
原因
乳腺腫瘍の発生には、性ホルモンの影響が関与していると考えられます。
また、うさぎでは子宮疾患と乳腺疾患が併発することもあるため、乳腺に異常が認められた場合には、生殖器全体の評価を行うことが重要です。
症状
主な症状は、乳腺に認められる腫瘤(しこり)です。
その他、
・乳腺の腫脹
・腫瘤の増大
・乳頭からの分泌物
・出血
などが認められることがあります。
腫瘍が進行・転移した場合には、食欲低下、体重減少、呼吸状態の悪化などの全身症状を呈する場合があります。
診断
まず身体検査により乳腺の腫瘤を確認します。
必要に応じて、レントゲン検査、超音波検査、細胞診、血液検査などを実施します。
また、腫瘤を摘出し病理組織検査を行うことで、腫瘍の種類や悪性度、湿潤の程度などを評価します。
治療
乳腺腫瘍に対しては、外科的切除が第一選択となります。
腫瘍の大きさや発生部位、周囲組織への湿潤の有無などを考慮し、適切な範囲を切除します。
また、未避妊の雌では子宮・卵巣疾患を併発している可能性があるため、必要に応じて生殖器の評価および卵巣子宮摘出手術を検討します。

3.予防・早期発見について
うさぎの生殖器疾患では、症状が現れてから発見するのではなく、定期的な健康診断によって早期に異常を発見することが重要です。
特に雌のうさぎでは、身体検査だけでは診断が難しい腹腔内の病変もある為、必要に応じて画像検査を実施します。
また繁殖を予定していない場合には、若齢期からの避妊手術について検討することも、生殖器疾患の予防という観点から重要です。
まとめ
うさぎでは、子宮・卵巣などの生殖器疾患や乳腺腫瘍が発生することがあります。
これらの疾患は、初期段階では明らかな症状を示さないこともあり、発見が遅れる可能性があります。
特に、
・乳腺にしこりがある
・陰部から出血している
・食欲が低下している
・体重が減少している
・腹部が張っている
などの異常が認められた場合には、早めの受診をおすすめします。
定期的な健康診断を行い、身体検査や必要に応じた画像検査を受けることで、病気の早期発見・早期治療につながります。
お気軽にご相談ください。

