犬の骨肉腫(診断と手術)|犬猫の治療なら広島市konomi動物病院

犬の骨肉腫(診断と手術)|犬猫の治療なら広島市konomi動物病院

骨肉腫

犬の骨肉腫

骨肉腫は骨を起源とした悪性腫瘍です。悪性度が強く、基本的には外科的処置を選択することがほとんどです。また、場合によっては強く痛みを伴うため、最終的には安楽死を選択されるケースもあります。当院でも断脚などを代表とした外科的対策をオススメすることが多いのですが、飼い主様の意向や罹患動物の状態により抗がん剤などの内科的な対策をとることもあります。近年、抗がん剤は改良がすすみ副作用も少なくなりました。とはいえ、本疾病は抗がん剤の効き目が出にくい腫瘍でもあります。可能な限り多くの種類の抗がん剤を取り揃え、最良のものを提案するようにしています。そして多剤をうまく併用することにより抗がん剤が効かなくなることをできるだけ防ぐようにしています。あとはマイルドな外科的手法としてサーミアやアブレーションといったレーザーを使用した治療法もあります。即効性はありませんが、次第に腫瘍が退縮していく部分は抗がん剤の効果と似ています。

症例

右後肢の足根部に発症した症例になります。触診では足根部の膨隆が確認でき、レントゲン検査でも骨融解像が顕著にあらわれています。

部分的な病理検査で確定診断をしたのち、早期に断脚手術を検討し、実施するようにしています。
骨肉腫は悪性度が高く、転移しやすい腫瘍でもあります。肺に転移するケースが多々あるので、定期的な検診が必要となります。
本症例は幸い明らかな転移がなく、長期の生存が確認できています。

断脚について

断脚というと抵抗がある飼い主様が大半かと思います。手術をする獣医師側も躊躇することが多いです。
ただ、断脚して悪かったと感じることはほとんどありません。むしろ断脚することで長生きできているケースが非常に多いように感じます。

また犬はすごいもので、1本の足を断脚しても比較的、スムーズに歩くことができます。排泄などは最初、不便をすることがありますが、徐々に慣れてくれます。
3本の足でも問題なく生きていけることは、動物のすごさだなと感じます。