犬の橈尺骨骨折|犬猫の治療なら広島市konomi動物病院

犬の橈尺骨骨折|犬猫の治療なら広島市konomi動物病院

犬の橈尺骨骨折

犬の橈尺骨骨折(症例1)

骨折について

骨折は小型犬でしばしば起こります。ぴょんぴょん飛び跳ねているうちに骨折することもよくあります。代表犬種としてトイプードルがあげられます。トイプードルは近年では一番人気の犬種ですので、橈尺骨骨折(前肢の骨折)がよくあります。

治療

骨折は程度により治療方法がことなります。指先などの非常に小さな骨や、ひび割れ程度であれば手術を行わずに副木固定などを実施します。橈尺骨骨折の場合はほどんどのケースでプレートを用いた整復手術を提案しています。治りが非常に良いのと、術後の管理も容易なためです。犬は安静にしてほしくてもなかなかそうはいきません。どうしても動きまわります。なので、骨プレートによる治療が第一選択となります。

骨折した部位を切開して、整復するべき箇所を確認します。

骨折した骨がうまくつなぎ合わさるように慎重に確認していきます。この作業が非常に重要です。しっかりした場所にプレートを設置しないと足が曲がったり、癒合不全を引き起こす可能性があります。また、骨折して日数が経過してしまうと筋肉が拘縮してしまうため、この作業が非常に困難になります。なので、骨折の手術はできるだけ早期に実施するべきです。

骨プレートを専用のスクリューを用いて設置しています。この作業がはじまると手術は終わったようなものです。事前にレントゲンで確認して必要な骨プレートおよびスクリューは用意しておきます。

当院では設置した骨プレートは約半年後に取り除くことをおすすめしています。骨への正常な血流を取り戻し、丈夫な骨を形成してもらうべきと考えています。しかし、中には再発予防のためプレートを留置するべきという考えもあり、意見の分かれるところです。

橈尺骨骨折(近位)(症例2)

左前肢の骨折の症例です。今回は近位(心臓に近い側)での骨折です。ややスクリューが入れづらい、難易度の高い手術となります。

手術では適切に切開していき、骨折部位を確認します。

今回はロッキングプレートという固定強度の強いプレートを使用しました。骨折部位が骨端であり、3本以上の骨スクリューを入れることが困難であったため、ロッキングシステムを採用しています。

手術後のレントゲンです。
あとは絶対安静を貫くだけです。
多くの場合は、手術をして1週間程度で少しずつ患肢をつくようになります。
約2週間でスムーズに歩けるようになることが多いです。