犬・猫の骨髄検査|犬猫の治療なら広島市konomi動物病院

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犬・猫の骨髄検査

骨髄の病気について

血液の血球成分はほとんどが骨髄でつくられています。血球成分とは赤血球や白血球、血小板などになります。それらの大元となる細胞、いわゆる芽球系細胞が骨髄には多数存在しています。それぞれ赤芽球、顆粒球、巨核球などと呼ばれたりしています。

それらの芽球系の細胞に異常があるときに、骨髄に問題があると判断されることがあります。代表的なものが以下になります。

白血病

白血球の祖となる骨髄球やリンパ芽球などが腫瘍化して、無秩序に増殖した場合に白血病と診断されます。通常の末梢血での検査でも異常な白血球数がカウントされることが多いため、骨髄検査を実施する前に疑うことが可能なことがあります。

白血球といえばメディアでも取り上げられることが多く、どちらかというとネガティブな印象をもたれているかもしれませんが、その程度はさまざまです。例えば、急性リンパ芽球性白血病は非常に悪性度が強いですが、慢性骨髄性白血病は緩徐な経過をたどることがあります。

赤芽球癆

白血病は主に白血球の問題ですが、赤血球のトラブルの代表として赤芽球癆というものがあります。骨髄に多くあるはずの赤芽球が何らかの原因で体内でつくられなくなってしまう疾病です。

赤芽球癆に陥っている症例の多くが重度の貧血を呈しているため、緊急的に輸血を必要とするケースも少なくありません。

原因不明の特発性タイプと、ウイルスの感染などに起因する続発性のタイプがあります。特発性タイプの場合は免疫抑制などの治療を実施することがあります。

骨髄異形成症候群

正常な個体では骨髄には多くの芽球系細胞が存在します。上記で示した、顆粒球や赤芽球などですが、それらの数が著しく低下したり、比率が変化したりすると骨髄異形成症候群と呼ばれることがあります。

骨髄異形成症候群は原因ははっきりしていないことがほとんどであり、治療は免疫抑制療法などが主体になります。治療への反応は個体によりさまざまです。やはり貧血が重度になっていたりすると、輸血が必要になります。

骨髄検査について

上記のような疾病を特定するためには骨髄検査が必須になってきます。骨髄検査は全身麻酔下にて実施しています。

骨髄に少し大きめの針を刺して、骨の中に存在する骨髄を吸引して検査します。多くの場合は顕微鏡で検査・診断を行います。

当院では骨髄検査は日帰り~1日入院にて実施しています。検査の結果が確定するまでに1~2週間の期間が必要となります。また、骨に針をさす際に少しだけ皮膚を切開する必要がありますので、軽めではありますが、縫合処置が必要となるケースがあります。