犬・猫の中足骨骨折
中足骨について
中足骨は足の甲の部にある骨で、細長く外傷などにより折れやすい骨になります。足なので、姿勢を維持させたり、体重移動や立ち上がりなどの運動に必要な骨組みです。
中足骨骨折について
上記の通りで中足骨はとても細い骨なので、体格にかかわらず骨折しやすい部位ともいえます。運動機能に重要な骨が4本ありますが、1~2本の骨折であれば簡単な保存療法で多くの場合が改善していきます。一方で、3~4本折れてしまった場合は外科的な介入が必要になることが多くあります。
骨折部位は増えれば増えるほど、運動機能に支障をきたします。骨折の程度により最適な治療方法を提案するようにしております。上記のレントゲンのような骨が重なる程度にズレている場合は手術を検討したほうがよいかもしれません。
治療について
副木固定
1~2本の骨折の場合は大きな治療は必要としないことがあります。簡単な添え木などで固定することにより改善していくことが見込めます。
当院ではプラスチックや金属の専用の板を用いて、骨折部位がずれないように固定します。固定期間は骨折の程度によりまちまちですが、1~2カ月かけて治療することが多くあります。
外科的な手術
3本以上の骨折が認められた場合は副木固定ではなかなか難しいこともあります。なので、骨を内部から固定する手術を実施することを検討しなければいけません。
骨折の整復をおこなったレントゲンになります。骨折の整復方法は多数ありますが、中足骨のような隣り合う骨がある細長い骨の場合は、髄内ピンという金属を入れ込む方法が主流かもしれません。およそ1~2週間かけて歩行ができるようになるか経過をみてまいります。