犬の子宮蓄膿症-子宮卵巣摘出術|犬猫の治療なら広島市konomi動物病院

犬の子宮蓄膿症-子宮卵巣摘出術|犬猫の治療なら広島市konomi動物病院

犬・猫・ウサギの子宮蓄膿症-子宮卵巣摘出術

摘出した子宮
通常の10倍以上に膨れ上がっています。

 

病態

子宮蓄膿症は文字通り、子宮に膿がたまった状態になる病気です。子宮に多量の膿がたまってしまうことにより、急激に体調が悪くなってしまいます。

原因

膿がたまるということは外部から細菌などの病原体が侵入したことが主な原因と考えられます。多くの場合は便の汚れによるものや、陰部を舐めたことによる口腔内細菌の侵入が関与しています。なので、外部からというよりは、基本的には自身がもつ細菌に寄与しているという考えになります。
また、子宮蓄膿症の発症には生理の時期にも大きく関係しています。多くの場合は、子宮蓄膿症の発症の1~2カ月前に生理になっていることが確認されます。

症状

子宮蓄膿症の症状は多岐にわたります。多くみられるのが、たくさんの水を飲むという症状です。水をよく飲むが、食欲は減る感じです。あとは下痢や嘔吐などの症状も出てくることがあります。胃腸炎かなと思ったら、子宮蓄膿症でしたという例も多々あります。子宮がかなり大きくなると腹部膨満という状態になります。腹部が大きく膨れ、みるからにお腹に問題がありそうな外貌になります。そして、最も典型的な症状は外陰部からの排膿になります。「おしりから膿のようなものが出ている」という状態はまさに子宮蓄膿症の発症を示唆します。

治療

治療の基本は子宮卵巣の摘出になります。そして、この摘出手術はできるだけ早期に実施されるべきになります。子宮蓄膿症は急激に状態が悪化していくことがほとんどであり、抗生物質や点滴などの治療では、なかなか改善しないことがほとんどになります。子宮卵巣の摘出はおおよそ、避妊手術と似ている部分がありますので、決して難しいことはありません。手術での治療は90%以上はうまくいき、1週間以内にかなり元気になります。しかし、手術には多くのリスク要因が伴います。年齢、本人の活力や食欲、貧血の程度、内臓へのダメージなどがあります。問題点が多ければ多いほど、手術による治療が困難になることがあります。
どうしても手術による治療が難しい場合は、近年は専用の注射薬での治療も可能になっています。ただ、注射薬での治療は完全なものではなく、どちらかというと一時的なものという認識が必要かもしれません。ただ、手術に大きなリスクを伴うときは、注射薬を使用する治療を推奨することがあります。