ひも状異物摘出|犬猫の治療なら広島市konomi動物病院

ひも状異物摘出|犬猫の治療なら広島市konomi動物病院

ひも状異物摘出

ひもを飲み込んでしまった症例です。問題は飲み込んで24時間近く時間が経ってしまっているということです。なんだか元気がない、食欲がないという症状を呈しており、腸閉塞が疑われました。ひもはほとんどが布製なのでレントゲンにはうつりません。触診や超音波検査等でしっかり閉塞の有無を判定する必要があります。ただ、本当に閉塞している場合は緊急性を要しますので、その判定も即座に迷わず下す必要があります。ここは獣医師の腕の見せ所であり、確実な結果を求められる部分でもあります。
今回は超音波検査にてアコーディオンサインと呼ばれる描出ができたこと、腸内での液体貯留および紐らしき高エコー陰影を確認できましたので、緊急手術を実施しました。ただ腸を切開して取り出すだけの手術なのですが、ひもはそう簡単に取り出せません。腸と布で強烈な摩擦を発生させるからです。でも傷口は最小にしておかないといけないので、切開した腸から少しずつ異物を引きずり出す処置をしました。本当に少しずつです。一気に引っ張ると、腸が裂けてしまうことがあるからです。
無事に手術が終了したら、少しの絶食期間を経て、食事を与えるようにします。きれいな便が出ればもう大丈夫です。

異物をひきずり出すだけでも1時間程度を要しました。摩擦力というのは強力です。