動物専用レーザー治療

動物専用レーザー治療

最先端レーザー治療

レーザー治療について

医療におけるレーザー

レーザーは20世紀最大の発明ともいわれます。レーザーといえば軍事目的であったり、SFの世界のイメージが強いですが、医療の分野においても大活躍します。そしてその活躍の場は日々広がっています。熱エネルギーを利用して止血・凝固など各種手術に必要とされるものをカバーし、部分的に小さな穴をあけたり、組織を蒸散させることもできます。シーリングシステムにより血流を遮断し、血管からの出血をおさえ安全に施術することができます。温熱療法により疼痛緩和にも利用できます。また、その独特な波長を利用することで、腫瘍を特異的に攻撃することができます。

※治療動画については富士エスエルアイ様のご協力により紹介させていただいています。

疼痛緩和

椎間板ヘルニア

人でも多い椎間板ヘルニアですが、犬はその独特な体幹と四肢のバランスを起点に発症することがあります。椎間板ヘルニアに関してはその重症度に応じて治療プログラムを組みます。発見が早期であり軽度の場合は安静・内服で回復することが多いですが、
重度のときは手術をすることもあります。レーザーによる疼痛緩和はそういった治療のサポートツールと考えることができます。疼痛緩和の効果は個体差がありますが、副作用もなく即効性があるため積極的に取り入れたい治療のひとつです。

歯肉炎

歯肉炎の痛みは誰しも経験したことがあると思います。動物の場合は歯石の蓄積に端を発することが多いので歯石をとることが最優先ですが、特に猫の場合はウイルスなどを介して激しい痛みを伴う歯肉炎を発症することがあります。
内服による治療は有効ですが投薬後吐き出したり、そもそも飲ませることが困難な個体もいるでしょう。さらには副作用の問題もあります。当院では処置が比較的に簡単で副作用のないレーザーによる疼痛緩和コントロールを導入しています。
これも椎間板ヘルニア同様にサポートツールとして非常に有効だと考えます。

蒸散

体表腫瘤

体表にできる腫瘤の種類は数多く、それを主訴に来院されるケースは後を絶ちません。簡単に分類すると良性のもの、悪性のものとなります。悪性であればいわゆる皮膚がんということになるため、手術・抗がん剤など適切な治療を施す必要があります。良性の場合は麻酔をかけたり、メスを入れるまでもない症例もあります。そういった予後良好な軽度の腫瘤にはレーザーを使用した蒸散手技が適していると考えられます。
施術に伴う痛みが軽度であり、麻酔が不要なこともあります。複数回の施術が必要になることもありますが、確実に効果があらわれる治療です。

椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニアは早期発見で、症状が軽度(四肢による歩行が可能)であれば内服による経過観察で十分な治療となりますが、 後肢の麻痺が伴っている場合は手術適応と考えられます。
従来、椎間板ヘルニアの治療は椎体の部分切除による減圧術が主流でしたが、 近年ではさらにレーザーを使用した再発防止効果に注目が集まっています。椎間板はひとつではなく、手術した後に再発するケースも多々見受けられました。
そのため、レーザーによる補助治療は今後そういった問題の解決につながる手技のひとつであると考えられます。

緑内障

レーザー治療の画期的なところは眼科治療にも応用できるところです。眼科分野ではその代表疾病として白内障・緑内障があげられますが、 緑内障における眼圧上昇を抑えることができます。眼房水の排泄経路をレーザー照射により確保することで減圧します。
眼圧のコントロールは痛みのケアにつながりますので、顕著なQOLの改善を期待することができます。 水泡の形成など一部副作用がみられることがありますので、適応例については点眼治療と合わせて考慮する必要があります。

ガン治療

ガンの三大治療は手術・抗癌剤・放射線があげられます。その基本指針は現在も変わっていませんが、治療方法が3つしかないということではありません。
レーザーによるガン治療の良い点はその特有の波長を利用することで腫瘍細胞を特異的な壊死が可能な点にあります。 体表はもちろん、胸腔内、腹腔内問わず、全身の腫瘍をターゲットにすることができます。
体内の場合、外科手術や抗癌剤ほどの効果は期待できないかもしれませんが、麻酔処置が困難な症例などには適していると考えられます。 レーザー照射によりガンが完治するわけではありませんが、動物の負担が非常に少なく、抗腫瘍効果に加え疼痛緩和もコントロールできることを考慮すると、やはり治療の補助ツールとしては最適です。